【BL】年上の意地、年下の本気
「…結城さん、楽にしていいですよ。」
腰にしがみついて…少し子供みたいだと笑ってしまいそうになる。
そんなとこも可愛いけど。
「ごめん…」
「謝らないでください。…俺は別に、なにも」
クローゼットルームから見えた光景に俺はいてもたってもいられず飛び出した。
泣いてる結城さんを押し倒す男に嫉妬と苛立ち、……正直軽く殺意も湧いた。
「…逞真が来てくれなかったら、また………」
“また”
そこまで言って結城さんは口を塞いだ。
それはきっと触れてはいけないところ。
結城さんの…過去の事。
「今日はもう寝てください。」
「あ、歩ける!歩けるから…!」
お姫様抱っこをすると初々しく結城さんは頬を赤らめた。
本当に見ていて飽きない。
色んな表情を見せてくれる。
それら全てを作っていないからかな……こんなに魅入ってしまうのは。