【BL】年上の意地、年下の本気


「寒くないですか?」

布団から目元だけ出して結城さんは頷いた。


「じゃあ俺はソファ借りますね。」


泊まらせてもらってる身、寝る場所はどこでもいい…………………え?



「…結城さん?」


ソファに向かってたはずなのに、服を掴まれてるから動けない。



「………こ…に…………ろ…………」



俺の服を掴んでいるのに、結城さんは向こうを向いている。

すごく早口な小声でなにかを言ったけど聞き取れなかった。




「…今、なん「っ、ここにいろ!」



……あ、半分やけくそだ。

耳まで真っ赤でそっぽ向いてるもんだから、俺としては理性が保つかどうか。




「じゃあ、遠慮なく。」



“ここにいろ”と言ったくせに、ベッドに入って肌が触れただけでビクッとしたり。


ベッドに入ってもまだ服を掴んでたり。












…あぁ、本当に……………





「………かわい。」









聞こえないくらい小さな声で呟いた言葉は、背中を向けている結城さんに聞こえたかな。
















逞真side end












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