【BL】年上の意地、年下の本気
「…っと、」
電車が少し揺れて重心が前に行くと、腰辺りに変な感触がある。
「…君……いつもここ、乗ってるよね…?」
この男…一体何が目的なんだ?
腰辺りの変な感触はこの男の手だった。
まとわりつくような手が気持ち悪い。
「ずっと見てたんだ…」
まさか、ストーカー…?
いやいや、俺は男だぞ?
「ひゃ…っ」
背中をつーっと人差し指でなぞられて、変な声が出た。
「可愛いね…想像通り……」
なんで……なんで、男なのにストーカーに痴漢までされなきゃいけないんだ…。
「…声、出しますよ」
最後の忠告にと男に小声で伝えても男は身体を触る手を止めない。
「出してごらんよ……でも、君が喘ぎ声を出すのとどっちが早いかな?」
気持ち悪い。触るな…
あたたかくも冷たくもない手。
…もう、嫌だ────。
「たす「何してるんです?」