【BL】年上の意地、年下の本気
“結城 雅”
表示されている名前を見る度に何度も書き直すメッセージ。
一言目はなんて言おうか、そう考えているうちに今みたいに時間が過ぎていく。
そもそも時差の問題で連絡が取れそうにないな…。
「…誰だ…?」
時計の針は23時を指している。
こんな時間に部屋に客が来るとは…
「こんばんは、来ちゃった。」
「篠宮さん…」
バスローブに身を包んだ篠宮さんが部屋の前に立っていた。
髪も濡れてるし、風呂上がりみたいだけど…一体なんの用だろ。
「少し入ってもいい?」
…て言いながらもう入ってるし。
なんて言えるはずもなく、部屋へ通してお茶を出した。