【BL】年上の意地、年下の本気


『明日、結城さん家に行ってもいいですか?』


「……いいけど。もう仕事終わってんの?」

『はい!これから帰るとこです。』


“今から来ればいいのに。”


なんて言えない。
いい歳した男が年下に甘えるなんて。



「気をつけて帰れよ。」



少し一方的に切った。
…もし、逞真と同い年だったなら。


もう少し甘えられたのだろうか。




今日は冷えるから。
だからこんなにも寂しく感じるんだ。




「……それだけだ。」




好きが大きくなると、不安も大きくなる。

その不安を取り除ける方法を……俺は知らなかった。










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