女嫌い公爵との幸福なる契約結婚生活
邸の中を案内されたあと自室で休んでいると、再びセドリックがやってきた。
「ネイト様がお呼びです。お部屋までご案内いたします」
ネイトの部屋は、アイリーンの部屋から間反対に位置する二階の外れにあった。
「アイリーン様」
部屋のドアをノックする直前で、セドリックは小声でアイリーンを呼んだ。
「僕はあなたがネイト様とのご結婚を承諾されたことに、正直賛成はしておりません。あなたには、幸せになってもらいたかったので……」
セドリックの口ぶりは、まるでアイリーンが幸せになれないことが決まっているかのようだった。幸せを求めてネイトと結婚したわけではないが、そう言われると妙に不安になる。
「でも、僕は全力であなたの手助けをいたします。だから、お困りのときは何なりとお申し付けください」
「……ありがとう、セドリック」
セドリックの言葉の真意を知りたかったが、それは間もなく明らかになる気がした。
アイリーンに軽く微笑みかけると、セドリックはドアをノックした。
「ネイト様。アイリーン様をお連れしました」
「入れ」という素っ気ない返事がドアの向こうから聞こえ、アイリーンはセドリックが開け放ったドアの向こうへと一人足を踏み入れた。
「ネイト様がお呼びです。お部屋までご案内いたします」
ネイトの部屋は、アイリーンの部屋から間反対に位置する二階の外れにあった。
「アイリーン様」
部屋のドアをノックする直前で、セドリックは小声でアイリーンを呼んだ。
「僕はあなたがネイト様とのご結婚を承諾されたことに、正直賛成はしておりません。あなたには、幸せになってもらいたかったので……」
セドリックの口ぶりは、まるでアイリーンが幸せになれないことが決まっているかのようだった。幸せを求めてネイトと結婚したわけではないが、そう言われると妙に不安になる。
「でも、僕は全力であなたの手助けをいたします。だから、お困りのときは何なりとお申し付けください」
「……ありがとう、セドリック」
セドリックの言葉の真意を知りたかったが、それは間もなく明らかになる気がした。
アイリーンに軽く微笑みかけると、セドリックはドアをノックした。
「ネイト様。アイリーン様をお連れしました」
「入れ」という素っ気ない返事がドアの向こうから聞こえ、アイリーンはセドリックが開け放ったドアの向こうへと一人足を踏み入れた。