女嫌い公爵との幸福なる契約結婚生活
セドリックはきょとんとした顔を見せたのち、ふっと顔を綻ばせた。

「それもそうですね。さすが、アイリーン様です。普段は淑やかなのに、子供のこととなると、途端にあなたは強い女性になるのですから」

「そうかしら?」

セドリックの雰囲気が穏やかになったことにホッとしつつも、アイリーンは彼の言うことに実感が湧かない。

「そうですよ。僕をはじめ、孤児院の子供たちは、そんなあなたに幾度も守られてきました。承知しました。あなたの友人として、ノアを手厚くもてなしましょう」
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