伝えたいこと、口じゃなくても
瞳の人生が大きく変わることになったのは、中学生になった時だった。
ある日、家に帰ると両親はいなかった。瞳はテレビをつける。両親がいない間だけ好きなドラマが見られるのだ。
瞳がテレビをつけた時、画面に映ったのはラクダだった。荷物を運び、人に誘導されている。
「村にやって来たジェームズたちは、早速移動図書館の準備を始めます」
ナレーションが響き、瞳は「移動図書館?」と首を傾げる。そしてそのままその番組を見続けた。
ラクダの移動図書館は、学校に行き子どもたちに本を読んでもらうというものだった。しかし、子どもたちの多くが遊牧民のため、本を貸し出すことはできない。家畜の草がなくなれば、子どもたちの家は移動してしまうからだ。
その子どもたちの中に、瞳と同じ年の子がいた。その子は学校に行っていないため、字が読めない。遊牧民の女の子は、家事ができればいいと学校へ行かせてもらえないこともあるとテレビで言っていた。
ある日、家に帰ると両親はいなかった。瞳はテレビをつける。両親がいない間だけ好きなドラマが見られるのだ。
瞳がテレビをつけた時、画面に映ったのはラクダだった。荷物を運び、人に誘導されている。
「村にやって来たジェームズたちは、早速移動図書館の準備を始めます」
ナレーションが響き、瞳は「移動図書館?」と首を傾げる。そしてそのままその番組を見続けた。
ラクダの移動図書館は、学校に行き子どもたちに本を読んでもらうというものだった。しかし、子どもたちの多くが遊牧民のため、本を貸し出すことはできない。家畜の草がなくなれば、子どもたちの家は移動してしまうからだ。
その子どもたちの中に、瞳と同じ年の子がいた。その子は学校に行っていないため、字が読めない。遊牧民の女の子は、家事ができればいいと学校へ行かせてもらえないこともあるとテレビで言っていた。