伝えたいこと、口じゃなくても
「See you tomorrow(また明日)」

苦笑いをしてヒストリアは瞳から背を向ける。瞳はその後ろ姿をぼんやりと眺めていた。



瞳は告白方法について調べてみた。アドバイスをヒストリアにするためだ。

電話やラインでの告白や、イベントやお祭りに行った時に告白するという方法もあるそうだ。告白場所としてダメなのは、人が多い場所や映画館の中だそう。

ヒストリアは、相手の顔を見て言うのは恥ずかしいと言っていた。直接は無理だろう。しかし、ヒストリアはスマホは持っていない。

「こうなったらあの方法しかないのかな……」

瞳は次の日、ヒストリアに言った。

「How about writing a love letter?(ラブレターを書いたらどう?」



ラブレター、と聞いた時ヒストリアは顔を赤くしたが、悲しそうな表情になる。

「私、字が書けない……」

ヒストリアは、字の読み書きを練習し始めたばかりだ。

瞳はそっとヒストリアの手を握る。そして、言った。
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