日本一の総長は、本当は私を溺愛している。

多分駐輪場に飛んだよねー



愛用の赤い風呂敷を探していると
1台の自転車にかかっていた。



「あ、あった!」



よかったー、悠月も待ってるし、帰ろ



「うっわ!
俺のチャリ一ノ菌に触られた!」



あ、



「はは!お前のチャリ腐ったな!」



「はー!ほんと最悪ー
おい、一ノ菌。お前チャリ弁償しろよ。」



「そーそー、
しかも、良いチャリだったもんなー」



「おう!取り敢えず、3万、持ってこいよ」



ヤンキーが片手を出す。



怖い。



やっぱりヤンキーなんて、怖い人ばっかだ



どうしよう。



3万なんて、持ってないし。



怖くて足が後ろに下がる。



少しずつ目元に涙が溜まる。



嫌だ、怖い。
助けて、誰か、お願い。



『いつでも俺を呼べよ。』


あ、



「ゆ、ゆ、づき。」



助けて!



「おう、呼んだか。」



「え、」



「お、お前、鹿妻 悠月。」



「なんだよ、お前に関係ないだろ。」



悠月が、来てくれた。



それが嬉しくて
さらに目元に涙が溜まる。



「関係あるね。」



「はぁ?その一ノ菌に?
"月の白龍"であるお前が?」



「うっせぇ、"月の白龍"じゃなくて、
鹿妻 悠月として
俺の友達を泣かせるやつに用があんだよ。」



「は、お前の、友達」



「そうだよ」



「おま、いかれてんぞ!
そんな、お前らの姫No.2である
百合に嫌われてるそいつを庇うなんて!」



「は?誰だよそいつ」


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