日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
「ふふ、どう致しまして。


今日は、この男に合うスーツを三着と


私のも新調しようかしら」



「かしこまりました。すぐに用意致します。」



ルッサルが手を叩くと奥から女性達が出てくる。



いつも私のスーツを仕立ててくれる人だ。



「じゃあ、正信はルッサルについて行きなさい
わたしは私で新調するわ」



「え、あ、おい」



「ルッサル。
お金に糸目はつけないわ


似合う、いい男になるのを選んでちょうだい」



「かしこまりました。」



女性達に続いて奥の部屋に入ると
所狭しと並べられた布の数々。



VIPだけが入れる専用の制作室だ。



「お久しぶりです。妃瀬様。」



「えぇ、瑞葉(みずは)も久しぶりね」



「お変わりなく美しようで安心しましたわ」



「ふふ、ありがとう。」



服を脱いでいくと1枚ごとに女性が取りに来て
皺にならないように丁寧にハンガーにかける。



鏡の前に立つと古い傷がよく分かる



殆どは妃瀬になる前に受けた傷だが
一つだけ数年前のがある。
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