日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
「あら、東華様。
ここの傷跡ぜんぜん薄くないですね」



「あらほんと。
他のに比べてまだ消えてないわ」



「あぁ、そこは4年前のでな。
全く困ったやつだったよ」



「ふふ、東華様。
顔が楽しそうですよ」



「ん?そうか?」



「えぇ、愛おしい人を見るようですわ」



「ふふ、あんなに殺気を向けられたのは
久々だからな」



そう言ってスマホが入った上着を見る。、



「え、まさか」
「なんと」
「まぁ!」



「「「あのお方なんですの!?」」」



「え?いや、知っているのか?」



「どういう意味ですか?」



「いやな、4年前刺したのはその男だが
そいつは私の事を分かっているのかな、と」



「も、もし!分かっていたらどうされますか!」



今まで黙っていた瑞葉が慌てて聞いてくる。



「んー、別に特に何かしようとは思ってない
むしろ部下に欲しいぐらいだ。


妃瀬のトップと私にあんな殺気を当てたんだ
半端なやつではないな」



そう言って笑うと瑞葉はほっとした顔をする。
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