日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
.....タイマン。



総長同士の意地をかけた喧嘩。



そんな事は分かっていても、



「っ!おい!桃華!泣くな。」



「え?あ、ほんとだ。泣いてる」



「大丈夫、大丈夫だから。
俺は勝つから」



抱き寄せられて
愛おしそうに抱きしめられる。



信じてる。



悠月が勝つことは、



ここの皆が、悠月を信じてるように



私もこの大きな背中を信じてる。



それでも、



悠月が傷付くのは、



怖い。



大丈夫。と言って、



背中を撫でてくれるこの手が



血にまみれるのが怖い。



血は、怖いもので、



血は、死を呼ぶもので、



血は、私が貴方を助けた印でもある。



だから、



あなたの血は、



私にとって、



大切な物。



一度守ると決めたものを



目の前で壊すなんて、



怖い。



でも。



「うん。信じる」



信じると決めたのは、



私だ。
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