日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
その場所は、小さいサッカーコートと、
古びた遊具が置いてある。



つい最近は遊具が壊れすぎて
使えないと聞いた。



もう、私達の間には、



遊具が壊れる程の時間の隙間が出来ている。



それでも、



無我夢中で走って、



約束の場所へ向かう。



はぁ、ハァハァ、



夕方になり、冷たい風が頬を撫でる。



川の音と共に見えるのは、



見慣れた背中。



「わた、る」



小さく、呟いた。



それでも彼は、こちらを向く。



「桃華!へへ、待ってた」



「うん。」



階段を降りるとベンチの隅と隅に座る。



「あー!焦ったー!


来てくれないかと思ってた!」



「ご、ごめん!気づいてなくて」



「うんん、大丈夫」



「ありがとう。」



「おう。」



「それで、どうしたの?」



「あぁ、会っちゃいけないって事は分かってる


今は昔みたいな幼馴染じゃなくて、
"白龍"の姫と"白虎"の総長って立場だし、


桃華は悠月っていうイケメンの彼氏いるし」



「ふふ、そー考えると


本当に私達は幼馴染としては、
もう、過ごせないんだね」
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