日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
近くにある顔を離し



手を振り払う。



「私は!!
渉をずっと家族としか思ってない!!


手のかかる弟で、


たまに頼りになるお兄ちゃんで、


何よりも、何よりも、大切な物家族なの!!」



「家族のままでいい。


いいから、俺を異性として見てよ」



渉にキスされた唇を手の甲で拭う。



わたるの、



「渉のわからず屋!!!」



逃げるように階段を駆け上がる。



ごめん。



ごめんね。悠月



私、わたし、



「桃華!!!」



渉、


「来るなアホー!!!」



「ちょ、まて、アホはお前だバカ!!


前を見ろ!!!」



へ?前?



ドン



いった!!



誰かにつこんじゃった。



「ご、ごめんなさい」



相手はフードを被った10人ほどの集団。



「ん?あれー?


これ一ノ瀬 桃華じゃね?」



え?私?



「ラッキー。探す手間省けた。」
< 152 / 299 >

この作品をシェア

pagetop