日本一の総長は、本当は私を溺愛している。

いつものたまり場に行くと
いつも以上に重い空気。



理由は、



「夏美が攫われた」



冬馬くんが悔しそうにまとめる。



誰もふざける人はいない。



「なんの手掛かりもない!!!


昨日から一切連絡が帰ってこないし
親からも心配の連絡が来た。」



「親にはなんて?」



「一応こっちで泊まってるって、
でも、騙せるのもあと数日。」



「チッ!何処かさえ分かってれば!!」



「"白虎"」



ガタン!



篤紀くんの近くの机が大きく揺れる。



「情報か?」



「いや、感」



「おい、感で発言するな」



「悠月、悪ぃ、あせった。」



「消えたのは昨日の夜。


"白虎"には休戦を....」



「ねぇ、」



全員の目線が一気にこちらへ向く。



「どうした?」



「あのね、


昨日、私、フードの集団に襲われた。」



「な!?!?!」
「うそ!!!??」
「まじかよ!!?!?」
ギリッ



最後の音は冬馬くんが歯をかみ締めている。
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