日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
「そんなこと!!」



「出来ないと言いたいのだろ?」



「っ!!!」



「でもね、渉くん。


あの子は君が思っている以上に繊細だ。


子供が親に愛されないというのは、
人格が変わろうと残っているものだよ。


ただ、顔に出るか出ないかの差だよ。」



「思い通りにさせると思うな」



「妃瀬には沢山のボディガードがいるからね。


でも、一ノ瀬 桃華にはいないんだよ」



「桃華は今、愛されている。」



「それでも、黒田 桃華を元に作られてる
人格だろう?


つつけば出るさ、ボロがね」



「させるか」



「させるさせないじゃない。


そう、なる運命なんだよ。」



っ!!!



康晃がこちらに銃を構える。



「お別れだ、渉くん。


君との話は有意義だった。」



バン!!



っ!!



頬を掠る。



「ふふ、殺しはしないさ、


せいぜい、頑張ってくれ」



康晃は近くに止まった車に乗り込む。



っ、桃華。
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