日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
シンと静まり返った教室



【ごめんなさい】



何に?



どれに?



誰に?



グルグルとそれらの事が回る。



「!?っ!!!」



後ろから殺気が膨れ上がり咄嗟に避ける。



かすった拳は頬を少し赤くする。



ゆらりと揺れる渉の体は



下を向いていて表情が見えない。



「なに、すんだ」



ガっ!



答えもなしに襟を掴まれて壁に押し付けられる。



ははっ、立場逆転。



「そうやって、桃華にも触れたのか」



「チッ!!


だから桃華に
お前なんかやめとけって言ったんだよ!!!


お前なんかより俺の方が桃華を理解してる!!


泣かせることもしない!!!


桃華の為なら"白虎"だって捨ててやる!!


なのに、桃華はお前を選んだ!!!」



「そうだ!!!
桃華は俺を選んでくれたんだ!!!


だから!!


お前は、大人しく傍観してろ!!!



これは、俺と、桃華の問題だ!!!」
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