日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
「俺は、あいつを愛してる」



「知るか。


俺が知ってても興味はない。
桃華が知らなきゃいけないんだ。」



そう、だよな。



「すぐに追いかけろ。


馬鹿げた脚力長くは持たない」



「っ、ありがとう。」



「チッ!!」



廊下に出て走り出す。



「悠月!!」



「っ、千夏!」



「さっき、さっき!


桃華ちゃんがすごい勢いで走りながら泣いてて
それで」



「どっち行った!!!」



「あ、あっち、市街地の方」



「助かる!」



そちらに足を向ける。



「ねぇ、悠月。
桃華ちゃん、大事だよね?」



「あぁ、喧嘩したから、謝ってくる」



「そう。気をつけてね」



「おう!!」






バクバクと心臓の音が聞こえる。



どんだけ走った?



苦しいから足を止めたいが
それでは桃華に追いつけなくなる。



ピーポーピーポー



救急車?



嫌な、



予感しかしない
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