日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
悠月を見送る。



「なんで、なんでよ!!!
なんであの女なの!!!


私は、私はずっと彼が好きなのに!!
あんな女より!!!


ずっと彼にふさわしい!!!!」



俺の位置とは真逆にいる女。



名は、しらない。



そいつが喚く。



ちょうど対角線上。



机を避ければ10数歩。



机の上は、



4歩。



迷う余地なし。



機嫌が最低点に至る。



「ひぃっ!」



何人かが腰を抜かす。



関係ない



虎徹とやらが構える。



関係ない



吠えていた女が俺に向かって
何か罵倒してくる。



関係ない。



女が、



教室の扉に手をかける。



関係、ある。



1歩で机に飛び乗る。



2歩で2つ超える。



3歩で3つ超える。



4歩で2つ超え着地する。



標的は目の前。



「ひぃっ!!」



女が逃げ出す。



関係ある。
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