日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
やはり、桃華は普通ではない。



俺とは違う特別な人間だ。



でも、



それでも俺は、



君を諦めはしない。



桃華の手を握る。



「愛してる。」



だから、帰ってきてくれ。



君の、



あの美しい蒼色の瞳がみたい。



この、



握っている手で握り返してほしい。



あの、



美しく駆ける君が見たい。



だから、



目を覚まして欲しい。



「あの、和服の方」



俺から話しかけるのは初めて



彼から話しかけられたことも無い。



彼は目線をよこすだけで何も言わない。



「犯人、どうなりました?」



そう聞くと、和服の男は顎でテレビを指す。



テレビの電源をつけると
ちょうど桃華の事が放送されていた。



《数日前に起きた高校生少女殺害未遂事件。
犯人は未だに特定出来ておらず
警察も全力の捜査を続けています。


なお、少女の容態はまだ戻らず
意識不明の重体のまま調査も難航。


大勢の目撃証言の中でもむずかしい調査と
なっているようです。》
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