日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
目を開けると和風の天井が見える。



どこだ、ここ



丁寧に掛けてある布団をめくり立ち上がる。



うっ、



目の前がぐらりと揺れてまた倒れ込む。



しゃっ、



障子が開く。



「起きたか」



っ!



「わ、たる?」



「おう」



1ヶ月近く会ってなかった渉は
髪を切り、髪の色変わり、雰囲気が少し違った。



「久しぶり、だな」



「おうそうだな。
その前にお礼は?」



「礼?」



「おいおい、助けてやったの俺なんだぜ。


もし俺が助言してなかったら
お前は今頃如月組に沈められてたぞ」



如月組?



それって、



「篤紀の、」



「そうそう。
まぁ、俺は昔の伝手でここにいるんだが


篤紀には言ってない。
熱が引いたら帰れ。」



そう言って渉は立ち上がる。



「じゃあな」



「まて」



「なんだ?」



「お前は、何をしている。」
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