日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
「把握しておられなかったので?」



『あぁ、そこはお楽しみと思うてな』



「なら、いいサプライズになりましたか?」



『おう。壊す発言と相まってな』



「ふふ、それは良かった。」



巨大になった組織は必ず身体の中に
膿が出てきてしまう。



いくら気をつけようが時間の流れと共に
次第に発生する。



そして、そんな膿をも楽しもうと考えたのが
お爺様だ。



全くもって元気すぎる。



『あれ?東華ですか?』



聞き慣れた声、



「お兄様ですか?」



『おう、なにしてんの?』



「立食会の事でお話がありまして」



『それなら大立じゃないのか?』



「ほら、大立は忙しいじゃないですか。
色々と」



『あぁ、そうだね。
色々と、忙しそうだからね』



そう言って笑う声が揃う。



「あ、お兄様、てちょうど良かっです」



『なんだい?』



「三日後、中心街の草紙絵という
老舗旅館で食事しません?」
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