日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
『美味しそうなネタはあるかい?』



「そう、ですね。


今のところ分かりませんが
その日の当日に大きな伊勢海老や
真っ赤な鯛が釣れているかも知れませんよ?」



『それは、美味しそうだ』



「そうでしょ?」



『あぁ、』



ここにはこの言葉をそのまま取る人はいない。



わざわざ回りくどいと正信は言うが
こんなのただの内緒話の延長線上だ。



人生楽しく内緒話をしないと面白くない。



「では、後ほど時刻はお知らせしますね」



『あぁ、待っておくね。
天音も誘うかい?』



「お姉様は、今パリにいらっしゃるのでは?」



『お爺様の立食会に合わせて帰ってくると
言っていたからな。
数日ズレても構わないだろう』



「そうですね。
なら、兄妹3人水入らずで食事に行きましょう」



『わかった。
楽しみにしてるよ』



「私もです」



また、同じタイミングで笑って電話を切る。



さぁ、楽しい楽しい食事の始まりよ
< 251 / 299 >

この作品をシェア

pagetop