日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
「とうか、に、ともか。
たった1文字違い。


しかも遠くから呼びかけるように呼んだなら
微かにでも自分の名が似ていれば
首を傾げ、周りを見渡すはず。


しかもマスクのお巻き付きと来た。


間違えることあるでしょ。」



よまれていた。



その事実に愕然とする。



「い、いつ。からバレて。」



「最初から、お爺様もお父様もお母様も
知っていましたわ」



「さい、しょ」



「えぇ、あなたがたの共犯が大立である事も
あなた達が私達を裏切りたい理由も


全部、知ってますわ」



知ってる?



俺がお前ら妃瀬を相手に
勝てる確率ゼロパーセントと言われた
この戦いに身を投じた理由を知ってる?



なら



なら



「なぜ貴様らは、
妻の、妻の墓に!!!
1度も頭を下げに来ない!!!!」



妃瀬の都合で死んだ妻。



妃瀬が死ねと命じた妻。



愛して



愛され



かけがえのない、
心の拠り所。



そんな妻を



貴様らは!!!!



「どうして、ですの?」



「は?」
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