日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
「はな、しなさい!!!」



暴れる東華を抑えながら近くの部屋に
入っていく。



どさっ



お互いの足がもつれ東華を下に倒れ込む。



「いった」



東華の痛がる声がするがそれどころじゃない。



「ほんとに、離しなさい」



東華の声を無視して胸に額をつける。



「怖かった。」



ギュッと東華の服をつまむ。



「君がいなくなって、
毎日が不安で不安でたまらなくて。


ずっと、怖かった」



涙を流すのが自分でわかる。



バクバクと音を立てているのが
東華に聞こえそうで怖い。



でも、それ以上に、



東華の心臓の音が嬉しかった。



「東華。
良かった。無事で」



ほんとに、良かった。



君は目を離したら消えそうで



とても怖い。



「愛してる」



あぁ、こんなに愛おしい君は、



俺の宝物。



俺の心を乱すのは君で、



その乱れた心を癒してくれるのも君だ。



ほんとに



「愛おしい」



無意識に溢れ出た言葉に



東華の心臓が跳ねる。



俺以上にバクバクとなっている心臓に



嬉しさが込み上げる。
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