日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
ゴーゴーと音を立てて流れる滝。



日本一高いその滝のてっぺんは
足がすくみそうになる。



そこを軽々と登り、



立ち止まる。



「大人しくこちらに従うなら、
ここにいる6人全ての命を助けましょう」



そう言うともの陰に隠れていた
4人の気配が動く。



パチパチパチ



「流石です妃瀬 東華様。
まさ、我々の手札を全て見破られると...は....」



バァン



ひとつの銃弾が



大立の眉間を貫く。



「5人を、殲滅しなさい」



続けて正信が木の後ろに隠れていた
2人を撃ち抜く。



ほか2人は渉とほかの部下が撃ち抜く。



「東華、話が違うのではないか?」



黒田が様子を伺うように声を上げる。



「私は大人しく従えと言ったのです。


出てくる様子でその可能性は半分と思い
撃ち抜いた次第です。」



「半分もあるじゃないか」



「我々にとって、半分とは、
ゼロと同義です。」



「っ、
なら、私が殺されないのは
自惚れていいのかな?」



「命令ですので」



「おや、そこは兄妹の絆と思っていたよ」



「私の兄は、宏輝お兄様だけです。」



「それは、残念だ。


ん?彼は、東華の彼氏ではないのかい?」
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