日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
そう、黒田が指した後ろを振り向く。



そこには悠月がいる。



驚きはしない。



渉なら、連れてくると思っていた。



「そうですね。
桃華の、彼氏です。」



「おや、それは失敬」



そう言うと黒田が近づいてくる。



「渉」


「はっ、」



「ここであったこと全て、
お爺様にありのまま話しなさい」



「?はぁ、」



バァァァァン



「っっっつ!?!?!?」



ちょうど私の横を通り過ぎようとした
黒田の足を撃ち抜く。



「き、さま」



「申し訳ありません黒田様。
手が、滑りましたわ」



そう言って途絶え苦しんでいる黒田の腹に
馬乗りになる。



両肩に2発打ち込む。



「がぁぁぁぁー!!!!」



黒田の大声に鳥が数羽飛んでいく。



黒田が何か言おうと開いた口の中へ
拳銃を突っ込む。



「黒田様。ありがとうございます。


あなたのおかげで、
どうにもならない感情と言うものが存在する、
という事を知れましたわ。」



引き金を引く指に力が入らない。



妃瀬の命令を聞く本能が
ここでこの行動を拒絶する。



「東華」
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