日本一の総長は、本当は私を溺愛している。

ｯｯ！！！



誰だ！！



全員がソファやベッドから降りて
戦闘態勢を取る。



先程まで祐と話していた人物は



白みがかかった金髪に
ほんのり赤が混ざった茶色い目
そして、不健康と言われても頷ける白い肌。



「鳴瀬 、渉」



ポツリと冬馬が呟いた言葉に



笑みを浮かべて返事を返す鳴瀬 渉



気づかなかった。



Ｎｏ．1暴走族である俺達が



全く存在に気づかなかった。



祐と話さなければ
最後まで気づかなかったかもしれない。



「はは、そんな身構えないでよ
転校生の僕はビックリして怖がるよー」



「は、普通の転校生がこんなとこいるかよ」



篤紀の唸るような声にも飄々とする。



「えー、ただの迷子だし、
たまたま桃華の名前が聞こえたからだよー」



「お前、何もんだよ」



「えー、さっきその違法者が言ったじゃん！



鳴瀬 渉。



幼なじみである一ノ瀬 桃華が大好きで
追っかけて学園に通った男。」



その男が、俺達より強者。



隙を探すが一切の隙がない



一見ただ立っているだけなのに



「あー、いや、こんなことしたら
怒られてしまう。」



「は、誰に？」



「んー、教えないよ、如月 篤紀君」



「おれの、名前！」



「だって君たち有名人じゃん
特に"月の白龍"である鹿妻 悠月君は
一般人でも知るほど



ほんと、桃華の彼氏さんが
こんななんてビックリー」



桃華の名前が出て熱が集まるのがわかる