日本一の総長は、本当は私を溺愛している。

「出して」



僕の言葉で車は静かに走り始める。



「遅い」



「申し訳ございません。
妃瀬 東華さま。」



助手席に座る僕は東華様の方をむいて



静かに頭を下げる



「アメリカの方はどう?」



「はい、上手く均衡も取れてますし
まだ騒ぐ程ではありません。



ただ、ファルファーニファミリーが
きな臭い動きをしています。」



「調べてるな」



「はい、5人ほどで当たらせています」



「わかった」



「あの、東華様」



「なんだ」



「お聞きしても宜しいですか?」



ようやく外から目を話してコチラをむく
東華様は



一ノ瀬 桃華ではない。



顔も体格も何もかも同じだが、
雰囲気と、目つきがちがう。



「なんだ。つまらなければ放り出すぞ」



それぐらいじゃ傷もおわない俺は、



苦笑で返す。



「一ノ瀬桃華とは、
どんな人物でしょう?」



「ただのもうひとつの人格だ。
高校までは好きにさせておく」



さもつまらんというふうに返す。



二重人格



「わざわざ!?高校の為にお作りに
なられたので!?」



「仕方ないでしょ
お兄様とお姉様がダーツで
何もかも決めてたから私もやったのよ」



「だ、ダーツで高校とかを?」
< 39 / 299 >

この作品をシェア

pagetop