日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
「わ、忘れてはない、うわぁ!」



グイッと後ろに引っ張れたと思ったら



温かいものが私を包み込む。



ゆ、悠月!?



上を見ると悠月の綺麗な顔



か、っ、こいい



「何の用だよ」



「え?桃華に用があっただけだよ?
君に、"月の白龍"に用はないよ」



「はぁ?ここ俺たち"白龍"の縄張りだから
そうそう入ってくんなよ」



「へぇ、桃華をそんな所に
出入りさせてるんだ」



「はぁ?俺の彼女なんだから当たり前だろ」



顔が赤くなる。



彼女。



そう思ってたけど、



言われるのは、



恥ずかしくて



嬉しい。



「"白龍"の姫じゃないのに?」



「わざわざそんなんにしなくてもいいだろ」



「まぁ、そうだし、
俺的にもそうがうれしいんだけど、



こんなん見せられたら



ほおって置けないよね」



バサバサ



渉の手から落ちたのは



私のノート。



なんで、



知ってるの



「ッッ!」



「へー、彼氏で、"月の白龍"との
異名を持つ君が、



桃華を守れないんなんて



幻滅だよ。」



なんで、なんで、



なんで、



「なんで知ってるの!?」



「仲良くなった女の子達が楽しそうに
教えてくれたよ?



まぁ、その後容赦はしなかったけど」
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