日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
「大丈夫?」



「う、うん。」



まさに死屍累々と言葉が似合う程の地獄絵図



そんな所で少女と少年は逃げ回る。



「走って!!」



「で、でも!後ろから!!」



「勝てないの!!
逃げるの!!」



「ま、待って!あの子が!」



「無理!!逃げるの!!」



追ってくる
自分より大きな犬がいっぱい



怖くて、血だらけの床に泣きそうで



何より、手を掴んでる男の子が
死んでしまいそうで怖かった。



またまた1匹の犬と戦っていたら
その場に居ただけ。



助けなければいいのに助けてしまった



それなら、



最後まで助けよう。



「い、犬が!」



「いいから前向いて!!走って!!」



ガっ!っと何かが足に引っかかる。



痛い。



思いっきり転んでしまった。



「い、いや」



男の子の声で周りを見渡す。



囲まれた!



そばにいる男の子の手を握る。



片方の手には子供には大きいナイフ



ギュッとナイフと手を握る。



「真っ直ぐ走って」



「え?」



「やぁぁぁああー!!」



1匹の犬に飛びかかって道を開ける。



「逃げて!!」



「う、うわぁぁあんー!!」



男の子が泣くんじゃない!



飛びかかった犬の首を刺して
また握り直す。



「今日は、わんちゃん鍋がご飯かな?」
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