日本一の総長は、本当は私を溺愛している。
「へー、ママが作ってれるんだ」



「お、お母さんです!」



「スクスク、冗談。
じゃあ、お母さんに本当美味しかった
って伝えてよ。」



「は、はい。
では、失礼します。」



「え?もう、お弁当食べ終わったの?」



「いえ、まだ、です。」



「なら、一緒食べようよ。
今日は俺、お昼ご飯持ってきたからさ」




ど、どうしよ。



からかい?



「いや?」



首をかしげなら上目遣いで
聞いてくるのはせこいと思う!



「いえ、じゃあ、失礼します。」



端に座るが真ん中に座っている
男の人からの距離はそんなにない。



「距離遠いなー。
まぁ、いいけど。
ねぇ、俺悠月。君は?」



悠月、聞いた事ある?



あるわけないな!




「一ノ瀬 桃華」



バレる。かな。



「ふーん。よろしくね。桃華!」



なんで、嫌われ者の私に、
笑顔で名前を呼んでくれるの。



「ねぇねぇ、俺も名前で呼んで?」



「え、でも、」



「いーじゃんいーじゃん。」



「悠月、くん」



「惜しい!くん要らない!」



「ゆ、ゆづき」



「うん!」



へへへ、と嬉しそうに笑う。

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