日本一の総長は、本当は私を溺愛している。

「あー、あっぶなかった。」



家の洗面台の鏡には、メガネを外した私。



青い瞳に三つ編みはしてない、
黒じゃない金色が混ざった髪色。



いつもと少し違う顔立ち。



初めの頃は内頬にコットンを挟むだけで
こんなに顔が変わるものかと
驚いたものだ。



「桃華ちゃーん!」



「なにー!ママ!」



「お仕事が入りました。」



少し低くなったママの声に
私も雰囲気が切り替わる。



「直ぐに車の用意を、
内容は車の中で聞く。」



「かしこまりました。」



スーツに着替えて車に乗り込む。



「誰からの依頼?」



「妃瀬 檁(ひとせ りん)様からです。」



「お母様か。
直ぐに向かう。ついでに渉(わたる)からの
依頼もこなす。」



「かしこまりました。」



車がネオンの街を走り去っていく。

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