堕天使
マコトは愛菜の顔を見てゲラゲラと笑いだした。

「んな　カオするなっての」

「…相手の子、誰？」

全身を震わせながら。

今にも泣きそうな顔をして言い放った言葉に。

マコトは笑うのをやめた。

「つうか、オメーには関係ねぇよ」

マコトは愛菜の目の前に立つ。

しゃがんでいた愛菜は反射的に腕で顔を隠す。

また、殴られる！！

マコトは愛菜の髪の毛を引っ張ると突き飛ばした。

「ブスが口答えすんな」

ドカドカと足で蹴られて。愛菜は小さく「ごめんなさい」と謝る。

マコトに殴られるのはこれが初めてではない。

どこにでもいる仲睦ましいカップル…というように見えるかもしれないが。

実際は、愛菜の片思い的な部分もあり。

周りの人間から言わせてみれば恋愛とは程遠い虚しい関係でしかなかったのかもしれない。

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