堕天使
終わる…ということがどれだけ恐ろしいか。

愛菜自身、受け入れることが出来ていない。

もしかしたら、またマコトと続くかもしれない。

結婚だなんて未だに理解も出来ない。

ただ、目の前で。

初めてさみしそうに。そして真剣な表情を見せた彼の言葉は本当であって。

嘘偽りのない言葉ということは愛菜にはわかった。


自分を見ていてくれた人がいたんだ。

どんなにしょうもない馬鹿げた恋愛だとしても。

自分のことを見守っていてくれた人がいた。

それだけがどれだけの救いなのか。


愛菜がマコトを選んで実家から逃げ出した日から。

愛菜は独りだった。

マコトを失うことで。本当の独りを実感する日がこれからやってくるだろう。


恐怖?

絶望?

それでも、日は暮れて。

明日はやってくるのだ。


愛菜と樹は。

もう一度。

穏やかな海を見つめた。

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