堕天使
ドアを開けて電気をつけて。

リビングを抜けて寝室に辿りつくと。

「少し横になったほうがいいですよ」

と樹に言われ。愛菜は言われるがままベッドに横になった。


ぼぉ…としていると。

樹が側に座る。

「何で…家?」

実は愛菜が樹にヘルプを求めたのは初めてではない。

何度か樹が助けにきてくれたときは、どんなに夜中でも愛菜の家まで送ってくれた。

だが、今回。愛菜は初めて樹の家に通された。

「まぁ、時間も時間ですし。貴女ボロボロですし長時間、車に乗るのはきついんじゃないですか?」

「…そっか」

へへっと笑おうとしたが、顔の痛みからか。

目から涙が溢れてきた。


一気にしんと空気が静まり返る。

愛菜はそんな気がした。

樹は黙って愛菜を見ていたが。

ふぅーとため息をついた。


「貴女、一人になったら死のうとするでしょ」


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