堕天使
愛菜は樹を見る。

「イツキ君はマコトが結婚するって知っていたの?」

自分の言葉に更に涙が溢れてくる。

愛菜は鼻をすすって樹の言葉を待った。

「…知っていましたよ」

樹は愛菜の顔の上にティッシュをのせた。

愛菜は嗚咽する。

思いっきり鼻をかんだ。

「隠していても仕方ないから言いますけど。半年前からですからね」

「…はんとしまえ」

「マコトさんが紹介してくれました。写真見ます?」

樹は立ち上がってケータイを取り出す。

愛菜は悲鳴をあげるように「イイ」と否定した。
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