素直になるまで、少し待って
素直になるまで、少し待って
初めて告白されたのは、一年の夏休みが始まる前だった。
面識がなかったのに、急にメッセージが届いて、校舎裏で告白された。
「好きです!」
私のほうなんて全く見ないで、顔を赤くしてストレートに伝えてくれた。
「……ごめんなさい」
彼のことをよく知らなかった私は、その告白を断った。
「そう、ですよね……」
わかりやすく落ち込んだ彼に、悪いことをしたような気分になる。
しかしすぐに彼は顔を上げた。
「あの!お友達からって、ダメですか!?」
切り替えの早さと、彼の諦めの悪さに驚き、返事に困った。
それが悪いように伝わったのか、彼はまた肩を落としてしまった。
「……名前は?」
「葉山です!葉山凌空」
このとき、私は初めて葉山君の名前を知った。
まっすぐで、素直な人。
私と、正反対。
「花川さん……?」
名前を聞くだけ聞いてなにも言わなかったから、葉山君は心配そうに顔を覗き込んできた。
その表情に、自分の顔が緩むのがわかった。
続いて葉山君の頬がほころぶ。
「じゃあ、友達ってことで。よろしく、葉山君」
「うん!」
そのときの子犬のような笑顔も、ずっと頭に残っている。
多分、私はこのときから葉山君に惹かれている。
面識がなかったのに、急にメッセージが届いて、校舎裏で告白された。
「好きです!」
私のほうなんて全く見ないで、顔を赤くしてストレートに伝えてくれた。
「……ごめんなさい」
彼のことをよく知らなかった私は、その告白を断った。
「そう、ですよね……」
わかりやすく落ち込んだ彼に、悪いことをしたような気分になる。
しかしすぐに彼は顔を上げた。
「あの!お友達からって、ダメですか!?」
切り替えの早さと、彼の諦めの悪さに驚き、返事に困った。
それが悪いように伝わったのか、彼はまた肩を落としてしまった。
「……名前は?」
「葉山です!葉山凌空」
このとき、私は初めて葉山君の名前を知った。
まっすぐで、素直な人。
私と、正反対。
「花川さん……?」
名前を聞くだけ聞いてなにも言わなかったから、葉山君は心配そうに顔を覗き込んできた。
その表情に、自分の顔が緩むのがわかった。
続いて葉山君の頬がほころぶ。
「じゃあ、友達ってことで。よろしく、葉山君」
「うん!」
そのときの子犬のような笑顔も、ずっと頭に残っている。
多分、私はこのときから葉山君に惹かれている。
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