犬猿の仲
ネカフェを出ると日は落ちて暗くなっていた。
「莉緒菜。俺車で来てるから乗ってけよ」
私は無視をした。
誰がお前なんかの車に乗るか。
「おい!」
「うるさい!ほっとけよ!」
手首を掴んだ峻平の手を振り払った。
私はまた泣きそうだったが頑張って耐えた。
いつもなら笑って去る峻平が今回は眉間に皺を寄せて怒っていた。
「、、、来い」
私の手首を強く握ってズカズカと歩いていく。
「ちょっ!手首。いた、」
強い力でほんとに痛かった。
だが、峻平は無視して車の方へ歩く。
「お前、ほんとなんにも変わってねぇよな」
そう言って車に私を押し込んだ。
変わってないのはお互い様だろ。
私はそう言おうと思ったら、何故か怒ってると思っていた峻平の顔が泣きそうで言えなかった。