冬 -Domestic Violence-


―――――― 


「じゃあまたねー!」

「今日の写真はあとでアップしておくからね~。」

「ちゃんと盛っといてよ!
じゃあ今日はありがとう~。」



「またね。」


“女子”という言葉をまだ使ってもいいのか分からないけど、

あっという間に今日の女子会はお開きを迎えた。


駅でみんなと別れて、
一人暮らしをするアパートへと歩く。




高校卒業、短大進学を機に私は家を出た。


お父さんもお母さんも寂しそうだったけど、

あの時の私は、当時付き合っていたカレとの同棲も考えていたからこそ、

一人暮らしを選択した。


結局それは実現することなく、

最終的にカレにとって私の部屋はお金の掛からないラブホテルになって、

合鍵を使っては私のいない間に他の子を連れ込んで・・


それを知った時は独りトイレで何度も嘔吐して、

せっかく貯めたアルバイト代もベッドの買い換えに消えた。


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