冬 -Domestic Violence-
第8章
第8章
こんなにもあなたのことを想ってるのに
時々どうしようもないほど憎くなる
あなたは瞳の奥をのぞかせない
そのくせ私の心は何もかも見透かされてる
加害者 上原シオリ
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「・・オリ。・・・シオリ。」
「・・・?」
磨りガラスの向こう側。
そこに立つシルエットが私を呼んだ。
「マー君・・お帰り。」
「あんまり大声だとご近所さんの迷惑になるよ。」
「・・あ・・ごめんなさい。
ついまた発散してて・・。」
「・・・・俺も入っていい?」
「・・うん!背中流してあげる。」
湯船から出て待っていると、磨りガラスの扉が開けられてマー君が入ってきた。
だからそのまま・・その体に抱きつく。
「ちょ、ちょっと!
俺汗かいてるから・・。
もう体洗ったんじゃないの?」
「お帰りマー君。」
「・・ありがとう。遅くなってごめん。」