冬 -Domestic Violence-
一人にしては少し大きな湯船だと思ったけど、やっぱりこの部屋を選んで良かった。
背中を流した後、
今日も二人で一緒に入って足を伸ばす。
少しぬるめに入れたお湯でも、後ろからギュッとされるぬくもりで私の体は温められる。
「また上司に嫌がらせされたの?」
「言ってる事は間違ってないんだけど・・言い方がいつもヒドイんだ・・。」
「俺もよく分からないけど、労働組合?に通報したりとかは・・?」
「うん。頭叩かれてる男性の皆さんが色々準備してるみたいだから、
そのうち調査が入ると思う。」
「早くいなくなるといいね。」
「だからそれまでは、リエを見習って私も大声で発散して頑張る。」
「そんな頑張るシオリに・・今日はレバニラを作ってあげまーす。」
「・・・・・。」
「イライラを解消するには鉄分を摂るといいよ。」
「楽しみ・・・だけど・・。」
「どうした・・?」
「マー君・・触りすぎだよ・・・。」
「・・・あ!ごめんつい・・。」
後ろからの愛に我慢できなくなって、
振り返って対面の形になる。
「じゃ、じゃあ続きはご飯食べた後ということで・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・。」
「「・・・・・・・・・・。」」