冬 -Domestic Violence-
「ねぇマー君。」
「うん?」
「はいっ。」
「・・・・?・・おぉ!クッキー!
シオリが作ったの?」
「うん!あとで紅茶も淹れるね。」
「なるほど・・だから今日は“少なめでいい”って言ったのか。
でも珍しいね。急にどうしたの?」
「・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・え?・・どうした・・?」
「・・・・ホントに言ってる・・?」
「え~っと・・・?」
「今日・・半年記念日だよ。」
「!?・・あ!今日17日か!
ごめん最近忙しくて日付の感覚が・・。」
「・・・・・・・・・・・・・。」
「・・・ごめん・・。」
「もう食べなくていいから。」
「・・あ!ちょ、ちょっと勿体ないって!」
「・・・・・・・!!」
「・・・シオリ・・捨てちゃう事ないだろ!?食材が可哀想じゃないか!」
「なに可哀想って。誰が可哀想なの?」
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・。」
「・・ごめん・・。」
「マー君ってすぐ謝るよね。
初めて会ったクルミの二次会の時からずっと。二言目には“ごめん”って。」
「・・どうした・・?
今日なんか変じゃない?」
「・・・・・?・・・・??
え・・・・私・・・・・。」
「シオリ・・大丈夫?」
「・・私・・今・・ごめんなさい。
ごめんなさい。私いま何を・・。」
「きっと疲れが溜まってるんだよ。
・・うん!美味しい!
お菓子は圧倒的にシオリに負けちゃうね。」
「・・・・・ありがとう・・。」