冬 -Domestic Violence-
第9章
第9章
捜査6課 神野シン
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事情を飲み込んだ成田が大人しくなったところで、
キッチンに行った小泉がコーヒーを煎れてくれた。
・・・・・・淹れてくれたけど・・
「・・・・ぬるくない?」
「私、猫舌なので。」
ホットとアイスの中間ぐらいのコーヒーを一口飲んだところで、対面に座った小泉と目が合う。
「いつ中野を見つけたんだ?」
「成田と二手に分かれて捜索を始めた・・その初日です。」
「・・・それで?」
「私も成田と一緒で、
中野君がDV加害者だと思ってましたから。
すぐに署へ引っ張ろうとしたけど・・。」
「そこであんたもDVの真実を知ったのか?」
「それだけじゃなくて・・
“仕事を終えて部屋に帰ってきた時には、
もう彼女は死んでいた”・・と。」
「・・・そうか・・。」