冬 -Domestic Violence-
「ビワリー!!」
目を凝らした先、街灯に少しだけ照らされていたのは・・見覚えのあるシルエット。
[神野・・(/_;)
絶対ワイの事忘れてたやろ・・(/_;)]
とでも言いたそうな、何とも言えない表情で俺に視線を送るネコが一匹。
「すまん忘れてた!」
謝りつつもすぐにそこへ向かって全速力で向かう。
とりあえず・・こっちのどうでもいいヤマは終わらせとくか。
[今回も逃げ切ったるでぇ~!]
「三度目は無いと思え。
今日は邪魔する人間もいないし、
ズッコケたりもしないからな!」
俺との鬼ごっこを楽しんでるのか、
ビワリーが嬉しそうに尻尾を振りまきながら逃げ出す。
反省してないなビワリー。
もはやお前の逃げ足より俺の脚力の方が・・
[アカーン!やっぱお前速いな神野!]
時折チラチラこっちを振り返る姿がちょっとだけ愛くるしいけど、
依頼を受けたからには捕まえさせてもらうぞ。
あっという間に差を縮め、
この手を伸ばせば届くまでの距離に・・
[え~!!マジでアカンやつやん!]
「年貢の納め時だなビワリー。」
よし・・!捕まえ・・・!!