冬 -Domestic Violence-
第2章
第2章
わざとよける 不意にぶつかる
被害者 上原シオリ
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クルミの結婚式・披露宴を終えた夜、
二次会会場になっていたBar。
「オロロロロ。」
「・・サヤカ大丈夫?」
20分経っても帰ってこないサヤカを心配してトイレへ向かうと、
鍵が掛かった個室から予想通りの音が聞こえてきた。
「シャンパン飲みすぎだよサヤカ。」
「ごめん・・余興が成功して調子乗りすぎた・・。」
「お水貰ってくるからちょっと待ってて。」
「・・ありが・・オロロロロ。」
再び響いたサヤカのリバースを聞きながら、
少し早歩きでトイレから出て、
Barのカウンターまで急・・
「ねぇ君!さっきの余興で“水色”やってた子でしょ!?」
「・・・・・・・・。」
そんなに広くない通路、私の前を塞ぐように急に横から男の人が現れた。