冬 -Domestic Violence-
――――――
「・・もうダメ。死ぬ。」
「死なない。サヤカはいつも大袈裟だよ?」
何度かカウンターとトイレを往復して、だいぶ良くなったサヤカの背中をさする。
「・・・ダメ。またでそう。」
「うん。じゃあ外で待ってるね。」
もうそろそろビンゴ大会も終わった頃かな・・?
サヤカもあんまり聞かれたくないと思って、トイレの外まで一旦出・・・・
「あ。」
「・・・・あ。」
女子トイレを出た先、
男子トイレの前で、さっきの・・助けてくれた人が壁にもたれかかっていた。
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・。」
私も女子トイレを正面にして壁にもたれかかる。
男子トイレが混雑している様子は無さそうだったけど、その人はずっと待機していた。