冬 -Domestic Violence-


「あ、そういえば・・・・・。」


「・・・・・?」


「お連れ様・・トイレ行ったっきり戻ってこないけど大丈夫ですか?」


「・・・・・・・・・あ。」




中野さんとのお話に夢中になって忘れてた・・。


言われてみれば・・
私の隣の席に置いてある、

飲みかけの梅酒お湯割りはすっかり冷めていた。


慌ててトイレへと向かう。


「リエ・・?大丈・・・。」


「オロロロロ。」


「・・・・・・・・・・・・・・。」


「・・上・・原・・さーん・・
・・・・死ぬぅぅぅ・・。」


「モスコミュール飲みすぎだよ。」


「オロロロロ。」


どうして私の周りにいる子達はみんなお酒の加減を知らないのかな・・。


ついこの前も繰り広げられた光景を前にして、思わず“もうっ・・”と小さく漏らしてしまう。



「大丈夫?」


「中野さんごめんなさい、お水を・・。」


「・・多分、上原さんがしっかり者だから、

みんな甘えてリミッター外しちゃうんだと思いますよ。」




















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