冬 -Domestic Violence-
――――――
結局、閉店時間ギリギリまでリエはトイレに籠もりっぱなしだった。
とっくに終電を逃した事で、再び便器に向かってオロロするリエに聞くのは・・
「歩けるリエ?」
「・・・・・・・・ムリ・・。」
「・・・・・・・・。」
「上原さん・・おんぶして(ToT)」
「無茶言わないでよ。」
どうしよう・・・。
ここのお代はなんとか払えるけど・・タクシーを使うのには絶対足りない・・。
クレジット払いできるタクシーを探すしかないかな・・。
「上原さん、お連れ様良くなった?」
「ごめんなさい・・もう閉店なのに・・。」
「こっちの事は気にしないでください。
それよりもう終電無いと思ったので、
タクシー呼んでおきましたよ。」
「あ・・あの・・えっと・・・・。」
「はいっどうぞ。」
「・・・?」
中野さんが・・・・
一万円札を3枚差し出してきた。